カヅラカタに指導に入らせていただいてから今回で4公演目になる。今までの3作品は一本物のお芝居だったので、ショーの指導は初めてである。さらに今年はショーの前に行われたカヅラカタ20周年記念ガラコンサートに出演させていただくことにもなり、初めてのことだらけの公演であった。春公演は、正しくは春の新人公演という名称で、私の弟の期の第13期から始まった。基本的にショーの演目をするので、昨年春のロックオペラモーツァルトは異例である。スタッフとして関わってみて初めてわかったが、ショーはトップコンビ2人に限らず色々な子達が何らかの場面で前面で活躍できるようにキャスティングされており、個々の持ち味や得意なこと、そして舞台に取り組む姿勢や熱意などなど、団員ひとりひとりの持っているものが特によくわかる。顧問の先生方とお話させていただくと、先生方はそれらを実によく見て私以上に理解していらっしゃることがわかる。おそらく春の新人公演は、秋公演の配役オーディションの一環でもあるのだ。ちなみに私は配役オーディションの審査員席に参列はするが、下っ端なのでほとんど何の発言権もない(笑)。というか、最終決定権をお持ちの久田先生がお決めになる配役は、決まった直後はなんで?と思う配役があっても最終的にそれが大正解であったことが本番直前になるとわかる。20年間の顧問経験から導き出されるベストな配役に、私なんぞが反論していいものではないと思っている。生徒ひとりひとりをよく見て理解しようとすることが大切だと大学でもよく教わるが、実際にベテラン教員の方々と関わらせていただくと、その理解レベルが自分よりはるかに上であることを思い知らされる。カヅラカタに関わることでとても色々なことを学ばせていただけて、本当に感謝である。

私はカヅラカタの指導をしていると「この子たちは宝塚受験生でもないのにどうしてこんな大変なことを一生懸命やっているんだ?」とふと疑問に思うことが時々あった。しかし、今回ガラコンサートで初めてカヅラカタの舞台に立ってみて、「この感覚を一度味わったら、よっぽどのことがない限り高二の引退までやめられなくなるな」と、全身で納得した。中学・高校で、約1000人キャパが満席の舞台で年に2回(2回公演✖️2で4回か)も公演ができる部活って、全国にあとどれだけあるのだろうか。こんな貴重な体験ができる部活、もう少し部員が多くてもいいのにな。今回の公演の時点での団員は15人。15人でよく頑張りましたが、ロケットダンスはやはりもう少し人数がいたらより盛り上がったかなと思ったりする。秋公演は部員が増えますように。